三相3線式の電気配線について
変圧器が2個の電柱
【1個目の変圧器は単相3線式】
発電所で作らた電気は変電所を経由して6,600vの高圧電線で送られ、近くの電柱で200Vや100Vにして低圧電線で建物に来ます。
電柱には変圧器が1個と2個の電柱があり、変圧器が2個の電柱を見ると、3本の高圧電線が変圧器2個の一次側に接続されています。
変圧器Aの一次側に接続されている高圧電線は2本です。
変圧器Aから出ている二次側の低圧電線は変圧器が1個の電柱と同じように3本あります。
従って、2個ある変圧器のうち1個は、一次側の高圧電線が2本、二次側の低圧電線が3本で、両端の電圧は200V、両端と中央の電線は100Vで、変圧器が1個の電柱と同じように単相3線式を供給しています。
【単相3線式の電気回路】
1個目の変圧器の回路を図に描くと、変圧器Aの低圧側の①極と②極の間に200V機器を、①極と中央の電線との間に100V機器を、中央の電線と②極との間に100V機器を接続し、変圧器が1個の電柱と同じように単相3線式を供給しています。
中央の電線は変圧器が1個の電柱と同じように接地しており①極及び②極と大地間の電圧を100Vに抑え、感電による被害の軽減を図っています。
【2個の変圧器で三相3線式】
変圧器Bを見ると、一次側の高圧電線も二次側の低圧電線も接続されている電線は2本づつです。
変圧器BのS極と変圧器Aの②極を接続し、変圧器BのT極・S極と変圧器AのR極の3極で三相3線式を供給しています。
【三相3線式の電気回路図】
三相3線式の回路を図に描くと、変圧器BのS極とT極の間が200V、変圧器AのR極(①極)と②極に接続された変圧器BのS極の間が200Vとなります。
3本の低圧電線にはそれぞれ120度の位相差があるため、変圧器BのT極と変圧器AのR極との間に200Vが現れ、R極・S極・T極からの低圧電線3本でそれぞれの電線間の電圧が200Vとなり、動力用と呼ばれる三相3線式を供給しています。
R極とT極の間にもう1個変圧器を設置しΔ結線とするのが本来の姿ですが、変圧器AとBとでV字型に接続し、V結線で三相3線式を供給することができます。
【単相3線式・三相3線式両方の電気回路図】
変圧器2個の回路図は、変圧器Aの①極②極と中央の電線で単相3線式を供給し、変圧器BのS極・T極と変圧器AのR極で三相3線式を供給し、変圧器2個で単相3線式と三相3線式の両方を供給しています。
これは高圧電線3線でV結線として単相3線式・三相3線式の両方を供給している例で、高圧電線4線又は5線で供給している地域もあり、詳しくは管轄電力会社で確認して下さい。
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