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半断線による火災発生状況

 半断線による火災発生状況

半断線とは

 

 「半断線」という言葉はあまり聞かないと思いますが、単純に半分断線しているという意味です。電気機器がつかなくなった時に電気コードを動かすと点いたり消えたりするという経験があると思いますが、この状態が半断線です。

 

半断線になる原因

 

 家具で電気コードを圧迫する・電気コードを引っ張って器具に巻きつける・電気コードを小さく曲げて器具に巻きつける・プラグを持たずに電気コードを引くと、電気コードの外側の絶縁被覆は伸びるが中の電線は金属製のため伸びないので一部が切れてしまいます。

 そのため電線が細くなって電気抵抗が大きくなったり、断線した断面が接触した半断線の状態になります。

 

電気抵抗により発熱

 

 半断線になると、「金属の接触部が過熱」と同じように接触抵抗により熱を発生します。半断線になっても電気容量が小さいと発熱量が少ないため出火しませんが、電気容量が大きく電流が多いと電流の二乗と電気抵抗に比例した熱が発生し火災になります。

 

ONの時だけ発生し、ブレーカーは作動しない

 

 半断線による火災は、正規な回路に流れる正常な電流で発生するため、機器のスイッチがONの時のみ発生し、出火時にブレーカーは作動しません。

 出火後に短絡等が発生し大電流が流れるとブレーカーが作動します。

 

電気痕は(小さな一次痕)や(二次痕)が出来る

 

 出火時には細くなった電線の断面で小さな電気痕(一次痕)が出来ることがあり、出火ヶ所より電源側のブレーカーが作動して電気を遮断するまでは電線に電圧がかかっているので、火災の熱により絶縁被覆が溶けると、電線が短絡して電気痕(二次痕)が出来ることがあります。

 

一番遠い電気痕の機器側の断線ヶ所が火災発生場所

 

 半断線箇所より末端側の電線は断線により電圧が無くなるため、絶縁被覆が溶けても電流が流れず電気痕は出来ません。従って複数の電気痕があれば、出火に関係のある半断線個所は電源から一番遠い場所に有る電気痕の機器側の断線ヶ所です。

 

半断線の防止策

 

 電気コードを引っ張ると外側の絶縁被覆は伸びるが中の電線は金属製のため伸びずに断線するため、電気コードをコンセントから抜く時は必ずプラグを持つ、電気コードを引っ張りながら器具に巻きつけない、小さな器具には電気コードを巻き付けない、家具でコードを挟まないように電気コードを大切に扱えば半断線を防ぐことが出来ます。

 

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