火災件数と損害額の10年間のグラフ
全火災と電気火災の10年間の件数と損害額
【火災全体の件数は減少傾向、電気火災は減少傾向ではない】
火災全体は10年前の50,006件から34,691件になり約30%減少しています。これに対し、電気火災は10年前に4,937件でしたが、令和2年は5,158件であり減少傾向ではありません。
【火災全体の損害額は横ばい】
火災全体は1千億円代から900億円前後になりましたが、令和2年は再び1千億円を超えました。
【電気火災の損害額は減少傾向ではない】
電気火災は平成23年に150億円を超えましたが、その後は100億円前後で推移していました。令和元年に200億円を超え、令和2年は130億円と減少しましたが、電気火災の損害額は減少傾向ではありません。
【統計上「電気火災」という分類がない】
火災全体の件数が減少傾向の中で、電気火災は件数も損害額も減少傾向ではありません。
電気設備は単相3線式と三相3線式の違いや100Vと200Vの違いはあっても一連の流れは同じで、どこでも火災が発生する可能性があり、火災が発生した場所により「電気機器・電灯電話の配線・配線器具・電気装置・交通機関内配線」が原因として集計されます。
電気により発生した火災は「電気火災」として集計されることはなく、発生した場所によって別の原因として集計されるため、火災原因の上位にはならず、電気火災が多いことが分かりにくくなっています。
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